サントリーニ島のお勧めワイン「アシルティコ」の不思議なブドウ畑


日本では世界各地のワインが楽しめるようになっていますが、ギリシャワインはそれほどメジャーになっていません。あまり輸出されていないギリシャワイン、なぜなら収穫を抑制し高い品質を保っているのです。今回は、サントリーニ島で独自の栽培を守り続ける鳥の巣のようなブドウ畑を通してその秘密に迫ります!


「クルーラ仕立て」のワイン畑(サントリーニ島独自の仕立て法)

これがブドウ畑と聞くと、ちょっと不思議な感じです。これは、サントリーニ島の固有品種アシルティコです。ギリシャではとっても強い海風が吹きます。その風からブドウを守るために樹を低く仕立て、枝をらせん状に巻いたバスケット仕立で育てます。(➝クルーラ仕立て

また、ギリシャでは灌漑(農地に人工的に水を供給すること)が一部を除き禁止されています。ブドウは地中深くに蓄えられた雨水を主な栄養として深ーく根を張るので、凝縮したミネラル豊富な質の高いワインとなります。サントリーニ島では、収穫量が少なくともこのバスケット仕立てにこだわり品質を保っているのです。



日照量が多いこの地域で、
アシルティコは豊かな果実味と芳香性をもちます。レモンなどの柑橘類を連想させる酸味と苦味、この土地特有の塩味も併せ持っていて、気品をもち且つユニークな辛口白ワインになっています!

アシルティコはサントリーニ島のアクロティリ遺跡からワインの絞りかすが発見されました。この
遺跡は紀元前1500年のものですから、気が遠くなる程昔から人々がワインをたしなんでいたことが分かります!アシルティコのブドウは成長に伴い若枝を利用してクルーラが組み替えられますが、古いものでは250年も前の根が存在しています。


サントリーニ島 アクロティリ遺跡

もう一つのお勧めはデザートワインのヴィンサントです。赤ワインに近い黄金の色味を帯びていますが、実はこちらはアシルティコの白ぶどうのみで出来ています!手摘みしたぶどうを10日程掛けて天日干しをすると、ぶどうの糖分が高まります。その後、乾燥させたぶどうを圧搾し、3年かけて樽で熟成。

かなりの期間を要しますが、ぶどうの甘みにアプリコットやレーズンのような複雑な味わいが絡み合ったとっても美味なデザートワインです!この豊潤な甘口ワインはアペリティフとしてそのままでも良いですし、デザートやチーズとも相性の良いワインです。ヴィンサントはサントリーニ島で「神話の蜜」とも呼ばれています!


デザートワイン ヴィンサント

サントリーニ島にはたくさんのワイナリーがあり、ワイン造りの歴史や醸造の過程を学べるワインミュージアム(Wine Museum)などもあります。特に後者は、日本語の音声ガイドもあるので、安心してワインについて知識を深められます。(テイスティングの場まで日本語音声ガイドがサポートしてくれるから安心です!)

ギリシャでは品質にこだわり、その特徴ある気候や土壌によって個性豊かなワインが生まれています。あまり日本に輸出されていないからこそ、魅力溢れるギリシャの固有種を現地で存分に味わって下さいね!

☆関連ツアー
*ギリシャワインの産地を旅する~クレタ島&サントリーニ島~ 6日間










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