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その景色とは、ヒオス島の南方、ピルギ(Pyrgi)という村。この村には「クシスタ」と呼ばれる幾何学模様にも似た伝統の壁模様が広がります。何かの暗号のようでもあり、アラビア風にも感じるこの模様。街並みに広範囲に渡って続きますが、少しずつ異なった模様です。

この模様は、イタリアに支配されていた頃と、お隣のトルコに支配されていた頃、それぞれの影響がミックスされてできたものと考えられています。8月には、ヒオス島の名産ドライトマトが壁に吊るされている光景があちこちで見られます。壁の模様に真っ赤なアクセント、鮮やかですね。この幾何学模様はピルギの村でしか見ることができない貴重なものです。
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こんな平和な雰囲気の島にもドラクロワの「ヒオス島の虐殺」に描かれた悲しい過去がありました。ギリシャの独立戦争の際に、トルコ軍の侵攻によって島民98,000人が犠牲になったのです。世界遺産にも認定されているこのネア・モニの修道院には虐殺された彼らの遺骨が納められていて、当時の悲惨さに胸痛む場所でもあります。この修道院には11世紀以前の貴重なモザイク画も残されています。
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また、この島を語る上で欠かせないのがマスティハです。ヒオス島にだけ生育するマスティハの樹液から化粧品や食品、歯磨き粉や薬剤などが作られています。抗ピロリ菌や殺菌作用など、様々な効能が認められるマスティハは、大変重宝され村の人々は長いことこの島の宝を外敵から守ってきたそうです。
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ヒオス島の女性達は、夫に先立たれると、ずっと喪に服するという風習を今でも守っているといいます。悲しい過去の歴史と関係があるのか、家族への愛情に満ちています。 日本では、配偶者に先立たれた女性が元気になるともいわれていますが…。
家族も幾何学模様の壁もマスティハも…守りたいものがたくさんある暮らしって豊かで素敵ですね。ここヒオス島には守りたいものがたくさんあります。
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