ピンドス山脈の麓に広がるテッサリア平原に20~400mに及ぶ尖塔状の岩塊が立ち並んでいます。この奇岩群だけでも十分不思議な光景ですが、さらにその頂上に「メテオラの修道院群」は建てられています。メテオラとは、「空中に吊り上げられた」という意味で、まさに遠景からは、修道院が空中に浮かんでいるかのようです。
ここは、ギリシャ正教の修道士達が俗世とかけ離れた場所で神と交信するために移り住んだのが始まりとされ、14世紀から建設が始まりました。当時は岩山に階段やはしごもなく、物資を運ぶ手段は滑車につるした綱袋だけだったそうです。資材の調達が綱袋だけ!そう聞いただけで途方に暮れてしまう一方で、建築に携わった古代の人々の並々ならぬ信仰の深さや情熱に感服してしまいますね。
16世紀ぐらいまでに24棟に達した修道院も今はわずか6か所のみです。いずれはすべての修道院が劣化によって無人になってしまうリスクも指摘されていて、天空の修道院を訪ねるなら今のうち⁉かもしれません。
・メガロ・メテオロン修道院 (Megalo Meteoron)
メテオラ最大の修道院で修道院群を散策するツアーには、必ずといって良いほど、組み込まれています。展望台からは、かつて隠遁者が住んでいた洞窟を見ることができ、内部の壁画や宝物のコレクションも必見です。

・アギオス・ステファノス修道院(Agios Stefanos)
唯一、階段を登らずに行ける修道院でアクセスが良く、カランバカの街からも見上げることができます。1400年頃に建築され、第一次世界大戦で大きなダメージを受けましたが、尼僧院となって復活しました。16~17世紀の写本やイコン、刺繍などもよく手入れされているので見逃さないようにしたいですね。

・アギア・トリアダ修道院(Agia Triada)
130段の階段を登り切ったところにあるこの修道院は15世紀頃に建設されました。高さ565mの場所にあり、かなりハードですが、苦労の後にはなんともいえぬ喜びが!この頂上から見下ろすカランバカの街は絶景で疲れも吹き飛びます。17世紀ごろのフレスコ画が飾られ、礼拝堂だけでなく住居や食堂なども密集して建てられています。

アギア・トリアダ修道院。130段の階段を登り切った先には、こんな風景が!


2点いずれもアギア・トリアダ修道院のフレスコ画。一部はげていることが、長い年月を物語っている。古代の修道士達は何を祈ったのか。

メテオラで2番目に大きい修道院、ヴァルラーム修道院から眺める夕日
尚、修道院は神聖な場所であるため、服装には注意が必要です。真夏であっても半ズボンやタンクトップ、ミニスカートなど肌を露出することは禁止されています。また、女性はズボンでは入れませんが各修道院の入り口ではスカートを無料で貸し出してくれるそうです。マナーを守れば、修道院は意外にもウエルカムな雰囲気です。神への祈りと瞑想の時間…日常を忘れて新たな英気を養う旅になりますね。
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